2023/10/02

故ジャニー喜多川による性加害問題に関する再発防止策の実行等についてのお知らせ

 弊社は、「外部専門家による再発防止特別チーム」(以下「特別チーム」といいます。)からの提言を踏まえ、以下の各項目の再発防止策を講じておりますことをご報告申し上げます。なお、被害救済の状況並びに一部報道がありました弊社の社名及び新会社の設立につきましては、本日14時からの記者会見においてご説明の上、改めてお知らせいたします。

①    人権方針の策定及び実施
 特別チームにより、弊社創業者である故ジャニー喜多川の性加害による極めて深刻な人権侵害が認定され、弊社がこれを「見て見ぬふりをしていた」との指摘を受けたことを徹底的に反省し、グループ内外を問わず二度と人権侵害を看過せず、人権尊重責任を果たしていくため、グループ人権方針(以下「人権方針」といいます。)を策定いたしました。

グループ人権方針

 また、人権方針の実施状況を定期的に確認して、必要に応じて、人権方針の見直しを検討いたします。
 さらに、外部から招聘したチーフコンプライアンスオフィサー(CCO)に対して、人権方針の改訂、監査、調査等の具体的な業務及びその実行のための権限を割り当てます。

②    CCOの招聘及び外部アドバイザリー・ボードの設置
 コンプライアンス遵守・再発防止を徹底する観点から、2023年9月30日付で山田将之弁護士をCCOとして招聘いたしました。
<経歴>
弁護士(2005年登録)、ニューヨーク州弁護士(2013年登録)
2005年-2023年4月 西村あさひ法律事務所(現:西村あさひ法律事務所・外国法共同事業)
2012-2013年 ピルズベリー・ウィンスロップ・ショー・ピットマン法律事務所(ニューヨーク)
2014年 総合商社(コンプライアンス部門)出向
2023年5月- 山田将之法律事務所

 CCOは、経営から独立し担当する職務に関して、取締役会に意見を述べる権利を付与されております。また、CCOは、人権方針に基づく諸施策(研修を含む)の企画策定及び実施を統括するとともに、内部監査室、内部通報制度及び相談先・アドボケイト制度を統括し、社内での人権尊重・法令遵守を推進する役割を担います。
 また、特別チームの提言での施策に加えて、ビジネスと人権や子どもの権利問題に精通した弁護士を外部アドバイザーとして選任し、CCO及び外部アドバイザーから構成される外部アドバイザリー・ボードを設置する予定であり、弊社の人権遵守の取組について外部から監視と助言を受けます。

③    取締役会の活性化及び社外取締役の活用
 従前、弊社において実質的な取締役会が開催されておりませんでしたが、現在では、取締役会事務局を設置の上、今回の弊社における各対応について取締役会を開催して議論し、意思決定を行っております。また、今後は、年間の取締役会のスケジュールを策定の上、原則として1か月に1度の取締役会を開催し、さらに、社外取締役がその職責を果たすことのできる環境を構築するため、社外取締役のみで構成する会議体を開催し、実効的な運営を行っていく予定です。

④    内部通報制度の改革
 弊社においては、2023年4月に内部通報制度を設置しましたが、内部通報制度の利用者としてタレント(ジャニーズJr.を含みます。以下同じです。)が含まれておりませんでした。今後、内部通報制度を一層活性化するため、内部通報制度の利用者としてタレントを含めることにいたしました。
 また、内部通報の受付窓口が弊社内部の担当部署に限られていたため、外部受付窓口を設置することとし、顧問契約を締結していない外部の法律事務所にその窓口業務を委嘱いたします。今後、利用者の拡充及び外部受付窓口の設置について、社員及び所属タレントらに周知徹底を行ってまいります。
 さらに、社内窓口及び外部受付窓口のいずれについても、内部通報のレポートラインを変更し、CCOを内部通報の責任者といたします。

⑤    ジャニーズJr.の相談先の拡充
 上記内部通報制度の改革と併せて、ジャニーズJr.が比較的若年であるという特性に鑑み、本年導入していた「ホスピタリティールーム」制度を拡充いたします。
 具体的には、既に、ジャニーズJr.と距離が近く、従前からジャニーズJr.の相談に乗ってきた勤務歴の長い社員を「ホスピタリティー担当者」に任命し、ジャニーズJr.の相談係としておりましたが、ホスピタリティー担当者の人員を増員します。

⑥    法務・コンプライアンス機能の強化
 2023年9月30日付にて、法務部の上位組織である経営管理本部を担当する取締役を設置するとともに、法務部長を執行役員に昇格させております。また、法務部の人員の拡充をおこなっており、今後、更に増員する予定です。

⑦    内部監査部門の設置
 従前、弊社内に内部監査部門を設置しておりませんでしたが、2023年9月30日付にて、内部監査部門を設置し、内部監査に係る業務に取り組みます。
 また、内部監査部門のレポートラインはCCOとし、今後、監査役に業務監査権限を付与した後には、報告内容が監査役にも共有されるような組織設計を行ってまいります。

⑧    各種規定の制定・改正
従前、弊社において社内規程が十分に整備されていなかったことから、2023年9月30日付にて、取締役会等の会議体に関する規程、コンプライアンスに関する規程、ハラスメント防止に関する規程及び職務分掌や決裁権限に関する規程等の社内規程を制定いたしました。これにより、各部門の職責を明らかにするとともに健全な組織運営を行ってまいります。
 なお、今後につきましては、CCOの監督下で定期的に社内規程の見直しを検討いたします。

⑨    各種研修の実施
 人権尊重及びコンプライアンスを徹底するため、10月第2週から11月にかけて外部の弁護士に委嘱し、①人権尊重研修、②性加害問題研修・ハラスメント研修、③タレント向け研修を実施いたします。
 また、この研修を一度実施して終了するのではなく、今後も定期的(1年間に1回ないし2回)に各種研修を実施する予定です。

⑩    監査役
 従前、監査役の監査権限は会計監査権限に限定されていたところ、今後速やかに監査役に対して、会計監査権限に加えて業務監査権限を付与します。
 また、現在の監査役はいずれも非常勤であったことから、外部招聘も含めて常勤監査役を設置いたします。

⑪    メディアなどの関係者の皆様との対話等のエンゲージメント
 これまで、順次、メディアの皆様との対話をさせて頂き、弊社の再発防止策の取組状況等をご説明してまいりましたが、今後も今まで以上にメディアの皆様との対話を継続してまいります。

 以上が、現在までの弊社の再発防止策の実施状況です。

 被害者の皆様へのお詫びと被害救済、弊社の信頼の回復のためには、長い道のりが必要であることは理解しております。そのため、弊社は、今後も定期的に再発防止策の進捗状況等をご説明し、皆様のご理解を得る努力を続けてまいります。
 弊社一丸となって全力を尽くしてまいりますので、今後ともこれまで以上に様々なご意見、ご指摘を賜りますよう心よりお願い申し上げます。

2023年10月2日
ジャニーズ事務所