グループ人権方針

当グループは、事業活動全般を通じて、当グループの事業の影響を受ける人々の基本的人権の尊重が必要不可欠であると認識しています。また、弊社創業者である故ジャニー喜多川の性加害による極めて深刻な人権侵害を徹底的に反省し、グループ内外を問わず二度と人権侵害を看過せず、人権尊重責任を果たしていくため、「人権方針」(以下「本方針」)を以下のとおり定めます。



1.事業活動における人権尊重

人権の尊重は、当グループが事業活動を行っていく上で基本となる事項であり、当グループは、国連人権理事会「ビジネスと人権に関する指導原則」、経済協力開発機構「多国籍企業行動指針」および国際労働機関(ILO)「多国籍企業宣言」に基づき、国際的に認められた人権を尊重します。

当グループは、国際人権章典(「世界人権宣言」、「市民的および政治的権利に関する国際規約」および「経済的、社会的および文化的権利に関する国際規約」を指します)および労働における基本的権利を規定したILO「労働における基本的原則および権利に関するILO宣言」に挙げられた基本権を最低限のものとして理解しています。

また、上記性加害について深く反省し、子どもの権利条約および「子どもの権利とビジネス原則」(ユニセフ、国連グローバル・コンパクト、セーブ・ザ・チルドレン共同策定)に基づき、あらゆる形態の性的搾取および性的虐待からの保護をはじめとする子どもの権利を尊重し、当グループの全ての事業活動において、子どもの保護と安全を確保することを約束します。

本方針の実行過程においては、社外の人権専門家の知見を活用し、関連するステークホルダーとの協議を誠実に行います。


2.適用範囲

本方針は、当グループの役員および従業員に適用します。

また、ビジネスパートナーおよびその他の関係者を通じて当グループの事業、商品またはサービスが人権への負の影響に直接結びつく場合、これらの関係者に対しても、本方針に沿った人権の尊重を期待し、継続的な働きかけを行います。


3.ガバナンス・管理体制

本方針に基づく人権に関する取組状況は、当社取締役会が監督を行います。

また、当社は本方針の実施(教育・研修を含みます)の責任者としてチーフコンプライアンスオフィサー(CCO)を任命し、経営から独立した立場から取締役会に意見を述べる等の十分な権限を付与し、人権の尊重を推進します。

本方針は、取締役会の決定によって承認、制改定され、今後も必要に応じて見直しを行います。


4.事業活動における人権課題

当グループは、上記性加害について深く反省し、エンターテイメント業界において性加害等のハラスメントが生じやすい構造があることを認識し、全ての人の尊厳、権利および多様性を尊重し、あらゆる差別、ハラスメント、強制労働、児童労働などを禁止し、また間接的にも人権侵害に加担することがないよう再発防止等に努め、上記性加害により生じた被害の是正措置に取り組むほか、人権が充足される社会の実現を目指した活動を行います。

また、国際的に認められた人権と各国の国内法との間に矛盾がある場合には、国際的に認められた人権を最大限尊重するための方法を追求します。

現在、当グループが事業活動を行う上で、優先的に取り組むべき人権尊重に関わる重点課題は、上記性加害に対する深い反省も踏まえ、以下のとおりです。当グループは、社会情勢や事業活動の展開、当グループに対する要請などを勘案しながら、優先的に取り組むべき人権尊重に関わる具体的な課題について、適時の見直しを行います。

  • あらゆる形態の性的搾取および性的虐待ならびにハラスメントの排除
  • 子どもの権利尊重
  • 出生、性別、国籍、人種、民族、信条、年齢、性的指向、性自認、障がい、社会的出自、疾病などを理由とするあらゆる差別の禁止と個性の尊重、包摂的な社会作りへの貢献
  • 児童労働、強制労働の禁止
  • 安全な職場環境の確保
  • その他の労働基本権の尊重
  • 個人情報の適正な取扱い

5.ステークホルダーとのエンゲージメント(対話)

当グループは、本方針に基づく人権に関する取組(上記性加害に対する是正措置についての取組状況を含みます)について、故ジャニー喜多川による性加害の被害者およびメディアを含む関連するステークホルダーとの対話の機会を確保し、本方針の実行に関して誠実に協議を行い、信頼の回復および再構築に努めます。


6.是正・救済

当グループの事業活動が、人権への負の影響を引き起こし、または負の影響を助長している場合は、適切な手続きを通じて、その是正に取り組みます。上記性加害により生じた被害の是正措置については、被害者の方々との対話を進めながら、被害者救済委員会を設置し被害者に対する金銭補償を行うとともに、心のケア相談窓口の運営を通じて被害者への心のケアを行います。

また、ビジネスパートナーまたはその他の関係者を通じて、当グループの事業、商品またはサービスが人権への負の影響に直接結び付いている場合は、これらの関係者に対する是正の働きかけを検討していきます。

さらに、救済制度の整備を進め、人権への負の影響を受けた人の救済のために適切な措置を講じます。


7.人権デュー・ディリジェンス

当グループは、国連人権理事会「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づき人権デュー・ディリジェンスの仕組みを構築し、当グループの事業活動が与えるまたは直接結びつく人権への負の影響を特定し、その防止および軽減を図るよう努め、それらの効果の検証を継続的に実施します。


8.教育・研修

本方針が当グループの企業活動に組み込まれ、効果的に実行されるよう、当グループの役員および従業員に対して、適切な教育・研修を行うとともに、ビジネスパートナーおよびその他の関係者への理解の浸透に努めます。


9.情報開示

本方針の遵守状況を継続的にモニタリングし、人権尊重に向けた取組の進捗状況(上記性加害に対する是正措置を含みます)についてウェブサイト等を通して適切に開示し、ステークホルダーからの信頼の回復および再構築に努めます。